施設完成までの経過

年表

組合設立までの取り組み

  1. 猪名川上流1市3町広域ごみ処理施設建設連絡協議会 平成10年12月~平成12年8月11日
  2. 猪名川上流1市3町広域ごみ処理施設整備検討委員会 平成10年12月~平成12年8月11日
  3. 建設予定地の選定 国崎小路地区 平成11年3月発表
  4. 一部事務組合「猪名川上流広域ごみ処理施設組合」設立 平成12年8月11日

組合設立後の取り組み

  1. 環境影響評価の実施手続に関する条例の制定 平成12年12月17日
  2. 環境影響評価の実施 平成13年11月28日~平成16年12月2日
  3. 焼却方式検討委員会 平成13年12月~平成15年1月
    • 焼却方式については、「ストーカ炉+灰溶融方式」、「直接溶融方式」を推薦
    • 施設搬入基準の報告
  4. 焼却方式選定委員会 焼却方式を「ストーカ炉+灰溶融方式」と決定 平成15年4月
  5. ごみ処理基本計画の策定 平成15年3月 ごみ処理施設規模「ごみ焼却施設 235t/日」、「粗大・不燃ごみ処理施設 63t/日」、「リサイクル施設 21t/日」
  6. 広域ごみ処理施設建設フォローアップ委員会設立 平成15年5月
    • リサイクルプラザの内容・運営やデザイン・周辺整備等について報告
  7. 用地買収
    • 平成15年9月事業計画区域の範囲を約33.8h(買収区域約33.4h)と決定
    • 平成15年度から16年度にかけて、309,519.86m2を買収
    • 平成21年度に、24,180.21m2を買収
  8. 施設整備計画の策定 平成16年3月
  9. 都市計画決定 平成16年12月
  10. 工事契約の締結 平成17年3月に土地造成工事、ごみ処理施設建設工事につき制限付き一般競争入札を実施
    • 土地造成工事  大林組・新井組特定建設工事共同企業体
    • ごみ処理施設建設工事  JFEエンジ・前田建設特定建設工事共同企業体
    • 議会の承認を受け契約を締結 3月29日
  11. 環境保全委員会設立 平成17年6月
  12. ごみ処理施設建設工事起工式 平成18年7月19日
  13. 施設名称を「国崎クリーンセンター」に決定 平成19年8月
  14. 周辺自治会等との「環境保全基本協定書」の締結 平成20年5月
  15. ごみ処理施設建設工事完成 平成21年3月

平成21年4月より本格稼働し現在に至る

ごみの広域化処理に至った経過

広域化の合意に至るまで、この地域におけるごみ処理は、川西市と猪名川町はそれぞれ単独で、豊能町と能勢町は2町共同で実施しており、その1日あたりの焼却処理能力は合計308tでした。

処理施設の更新についても、当初、個別での建設を前提に進んでいましたが、この当時、全国的にごみ焼却施設からのダイオキシン類排出の問題が大きな社会問題となっており、旧厚生省は一般廃棄物焼却施設の排出ガス中のダイオキシン類調査を全国に求め、その調査結果を基に平成9年1月に「ごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドライン」を発表しました。この中で、ダイオキシン類を多く排出する施設が、平成4年度以前に建設された古い施設であるとともに、毎日、炉の立ち上げ・立ち下げをする准連続炉や機械化バッチ炉であったことから、ダイオキシン類を削減するための方策の一つとして、24時間連続で運転する全連続炉での処理を行うこと、そして発生ごみ量が少なく全連続化が困難である場合には、隣接市町村が連携して、一定規模以上、この規模は効率性・経済性から300t程度以上が望ましいとされ、最低でも100t以上とすべきとされました。そして、こうした規模に集約化(広域化)を総合的、計画的に推進する必要があるとされ、この広域化の方針を徹底させるため、平成9年5月旧厚生省から各都道府県に対し、広域化計画を策定するよう通知がなされました。こうして、ごみ焼却施設の広域化は大きな国の方針となったところです。

こうした国の広域化方針により、猪名川町においては、処理施設の更新について時期的に余裕はあったものの、広域化がなされない場合には100tの規模にならないことから、次の更新についてはRDF(ごみ固形化燃料)施設等の廃棄物再利用施設による整備とならざるを得ない状況でした。一方、豊能町と能勢町の豊能郡美化センターにおいては、排ガス中のダイオキシン調査の結果、排ガスに高濃度のダイオキシンが含まれていることが確認されたため、平成9年6月休炉となり、その後の環境調査において高濃度の土壌汚染が明らかになったことから、単に能勢町だけでなく、猪名川水系地域全体に大きな不安が広がりました。このことにより、あらためて環境問題を考える場合、人間が決めた行政区という範囲で考えるのでなく、環境を共有する地域全体からの視点で考えていかなければならないと多くの人が感じたことと思います。

こうした国のごみ処理施設広域化の方針やこの地域で起こった土壌汚染問題など、ダイオキシンをめぐる問題の解決策として、当該地域共同でごみの中間処理を行う方向性は、望ましい選択肢であると考えられました。しかし、ごみ処理施設の広域化については、施設建設地を何処にするかといったことを始めとして、解決しなければならない多くの問題があることも事実です。環境のために望ましい選択肢であっても、なかなかその方向に進まないというのが全国の実態であると思います。

当該1市3町においては、環境を共有する地理的背景のもと、ダイオキシン問題が大きく報道され、それに対する危機感が存在したことから、政策判断により広域化合意が図られたところです。

広域化合意以後の経過

合意以後の事業推進については、一部事務組合が設立されるまでの間、川西市が中心となり、主に次の3つの取り組みを行ってきました。

(1) 猪名川上流1市3町広域ごみ処理施設建設連絡協議会

一部事務組合が設立までの間、1市3町行政間における事業推進の母体として、各首長及び助役を委員とする「猪名川上流1市3町広域ごみ処理施設建設連絡協議会」を設置し、一部事務組合が設立された平成12年8月11日まで活動しました。

(2) 猪名川上流1市3町広域ごみ処理施設整備検討委員会

住民にとって望ましいごみ処理施設とはどのような施設なのかを明らかにするために、学識者3名と住民代表20名で構成される「猪名川上流1市3町広域ごみ処理施設整備検討委員会」を設置しました。この検討委員会は、平成11年2月から9月までの間12回の委員会を開催し、10月に最終報告書を提出し解散いたしました。この報告書は、特に安全と言うことに力点を置かれ、排出基準を諸外国の基準なども踏まえ設定されました。

(3) 建設予定地の選定

広域化において一番問題になるのは、どの市町に施設を建てるかと言うことですが、当該事業においては処理ごみの大部分を排出し、現行施設の耐用年数から施設建設の計画がある川西市域において選定する事が合理的であることから、第一義的にはまず川西市内で候補地を探すこととしました。この作業についてはまず、建設候補地を選定するための判断要素5項目を決めました。
その項目とは
  1. 500m以内に人家が全くないか非常に少ないこと。さらに1km以内に相当規模の集落・住宅団地がない場所であること。
  2. 国道、主要地方道から集落を通過せずに直接進入できる道路が確保できること。
  3. 地権者が多数で用地買収が困難であるなど予想される問題点がないこと。
  4. 都市計画上、将来明らかな支障が生じないこと。
  5. 1市3町のごみを搬入するのに搬送距離がなるべく短くなること。
の5項目で、都市計画決定におけるごみ焼却施設の立地に関し、旧建設省から示されている一般基準を参考とし、より強化する形で作成しました。そして、この判断要素を基に候補地の絞り込みを行い、当該土地の中心から直近の人家が約600m、また直近の集落までが約1200mを保て、さらにその他の条件においても優れている国崎小路地区を予定地として、行政の責任において決定し、平成11年3月に発表しました。

焼却方式検討委員会の報告書

当施設の建設にあたっては、多くの住民からご理解を得るため、住民から公募した委員を主体とした「焼却方式検討委員会」を設置し、住民の皆さんで不安材料や懸念する事項を含めて、いろいろな視点から焼却方式を検討して頂き、組合はそれを踏まえて施設建設を行いました。

第1回委員会は平成13年12月18日に開催され、焼却方式について多角的な面から検討を進め、平成15年1月17日の第12回委員会をもって最終報告書をとりまとめ、同年1月30日に管理者に提出されました。

施設建設フォローアップ委員会の報告書

焼却方式検討委員会の最終報告における「今後の課題と提言」を受けて、当組合からの呼びかけに応じ、前委員の中から有志が集まり「リサイクルプラザは如何にあるべきか」をテーマに、「広域ごみ処理施設建設フォローアップ委員会」を設置しました。

第1回委員会は平成15年5月26日に開催され、資源化処理や啓発手法などについて検討を進め、同年9月10日第12回委員会をもって最終報告書をとりまとめ、同年10月3日に管理者に提出されました。

環境保全委員会

施設の建設過程や稼働において、排ガス・排水等の排出負荷や周辺環境の状況を見ていく環境保全委員会を平成17年6月に設立しました。本格稼働後も定期的に開催し、施設の稼働状況を含めて監視しています。

環境保全委員会会議録

周辺自治会等との「環境保全基本協定書」

周辺地域住民が過去におけるごみ処理施設の事故にかんがみ、施設の稼働に危惧の念をもっておられることを踏まえ、組合が生活環境及び施設周辺環境の保全について常に配意するとともに、公害防止関係諸法令及び組合が定めた排出基準を遵守した施設の適正な維持管理を行うことを前提とし、施設稼働後における問題の速やかな解決に資するため、環境基本協定を締結しました。
「環境保全基本協定書」の概要
  1. モニター機器の設置
    組合は、自治会等が指定する場所に排出ガスの状況が確認できるモニター機器を設置し、周辺地域住民の危惧の払拭に努めるものとする。
  2. 環境保全委員会及び周辺地域住民協議会

    ①組合は、施設が与える環境負荷の状況を検証するため設置している猪名川上流広域ごみ処理施設環境保全委員会に自治会等の各代表者1名ずつを委員として参画させるものとする。

    ②組合は、自治会等と対等な立場で本協定に係る事項を協議するため猪名川上流広域ごみ処理施設周辺地域住民協議会(以下「協議会」という。)を設置するものとする。

  3. 基幹設備等の変更協議
    組合は、施設全体の規模及び機器の稼働能力等の変更を伴う基幹設備を変更しようとするときは、あらかじめ協議会代表に通知し、協議会における協議に付すものとする。
  4. 不適合事象発生時の報告義務
    組合は、組合が独自に定める排出基準を上回る不適合事象が発生した場合は、速やかに公表するとともに自治会等の各代表者に書面により報告するものとする。
  5. 重大な不適合事象発生時の措置等

    ①組合は、周辺地域住民の健康及び生活環境に影響を与え、又は与える可能性がある重大な不適合事象が発生した場合は、速やかに稼働を停止し、当該重大な不適合事象が再発しないことを協議会が確認しなければ、再稼働してはならない。

    ②組合は、周辺地域住民の健康及び生活環境に影響を与えた場合で、発生物及び風評等により周辺地域住民に損害が発生したときは、速やかに適切な措置を講じ、損害を賠償するものとする。

  6. 立入調査
    組合は、自治会等から施設の稼働状況等について、立入調査の要請があったときは、安全を確認の上、これに応じるものとする。
  7. 施設更新の協議
    組合は、当該施設の老朽化等により施設の更新を計画又は実行しようとする場合は、その計画段階から、施設の移転も含め協議会において協議し、誠意をもって解決するものとする。
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